会話の間が悪い人がいます。
質問されたときに、変な空白ができてしまう人です。
質問の答えを考えている間、何も言わないし、動かない。
質問した側は、この時間、とても居心地が悪く感じます。
なぜ、相手が考え中だとわかっているのに、居心地悪く感じるのでしょうか。
おそらくそれは、質問した側が「何か間違ったことを言ったのではないか」と不安になるからです。
考えているらしいことはわかっても、リアクションがないために、何がどう伝わっているのかわからない。何を考えているのかわからないから、話がどちらに転ぶか見えなくて不安になるのです。
この感じはバドミントンに例えるとよくわかります。
バドミントンはシャトル(羽根)をポンポン打ち合います。
相手のコートに打ち込んだシャトルは即座に打ち返されます。
にもかかわらず、シャトルが返ってこない。だからといって、下に落ちたわけでもない。
相手は動かないし、シャトルがどこにあるのかわからない。今、一体どうなっているのかわからない。
そんな状態が落ち着かなくて、居心地悪いのです。
質問された相手が黙り込まずに、「あぁー」とか「うーん、そうだな~」とか言ってくれれば、居心地の悪さはありません。
自分のラケットでシャトルをポンポンしている様子が見えるからです。
会話をするときは相手に「今、シャトルはここにあるよ」と見せることが大事だと思います。
つまり、「考え中だよ」と相手に伝えることが大事。
「質問の意味はわかったよ」
「ちゃんと伝わってるよ」
それが相手に伝わっていれば、「間違っているのではないか」という不安を和らげることができます。
すぐに答えが出ないときは、
「あ~」
「うーん」
「え~、難しいなぁ」
「○○?(質問をオウム返し)」
「ちょっと待って、考えるわ」
「なんでだろう、えー」
など、声を出してリアクションをしましょう。
少なくとも、何も言わず黙って考えるのはやめましょう。
「伝わっているのかわからない」
「見当外れなことを言ったのかもしれない」
そう感じさせる微妙な間(ま)は相手にストレスを与えます。一つ一つは小さくても、会話は何度もくり返されるので、ストレスは蓄積します。
「世間話してるだけなのに、なんか疲れる」女性にそう思われたらおしまいです。「もっと話したいな」と思ってもらえる可能性は低くなります。
うまく話す必要はありません。
わからないときは「わからない」と言いましょう。
「相手の言葉を受け取ったよ」「今考えているよ」ということを伝えましょう。
そうすれば、相手にストレスを与えることはなくなります。
会話のキャッチボール、会話のバドミントンができれば、相手は「嫌だな」とは思いません。もやっとした不快感に戸惑うこともありません。
質問されたときに黙って考えるクセがある人は、ちょっと注意してみてください。